魔理沙登場の「(番外編)ゆっくり国試必須問題解説」として、107回問15をYouTubeショートに投稿しました。下の赤いボタンや、本HPのフッターにあるYouTubeロゴから訪問していただければと思います。
この問題は、国試の分野としては物・化・生の生物ですが、感染症微生物学の問題です。YouTubeショート動画で魔理沙が説明しきれなかった「突っ込んだポイント」を以下に解説します。
いろいろな病気が選択肢には並んでいますが、どれも薬学生としては絶対に知っていなければならない感染症ですね。勉強のやり方としては、まずこれらの感染症を大まかにつかむことです。あと、「薬学生としての心構え」のような話になりますが、公衆衛生学的な報道などがあります。今でいえばCOVID-19の話とか、インフルエンザとか、風疹のような話題です。その時には、ただ「ふ~ん、まだコロナは収まっていないんだね」で終わってしまうのではなく、コロナが今までおかれていた「Ⅱ類」感染症とはどういうものか、「Ⅴ類」感染症は「Ⅱ類」とはどう違うのか、というよな「突っ込んだ疑問を自らが自分に問いかける」というような、姿勢を日々持つことで、ずいぶん知識が増えるものです。スマホが手元にあれば、いくらでも勉強はできるものです。
さて、選択肢を見てみると、まずは「梅毒」ですが、これは皆さんもよく理解しているでしょう。病原体から症状の進行過程、特効薬としてどのようなお薬が効くのか(ペニシリンですね)、などについても、もう一度確認しておきましょう。ちなみに、国立感染症研究所は、梅毒について「感染爆発(パンデミック)といってよいくらいの危機的な状況である」と警鐘を鳴らしています。
2の「熱帯熱マラリア」ですが、この問題のように「生物」で出題されれば、「病原体は何か?」という設問になりますが、薬物治療学で出題されれば、「マラリアの特効薬を選べ」という問題になります。答えは、自分で調べてみましょう。
3の「オンコセルカ症(河川盲目症)」は、あまり聞いたことがないかもしれませんが、この病気に関して日本人がノーベル生理学・医学賞を受賞していることを、知っていますか?そう、2015年に北里大学の大村智博士が、オンコセルカ症(病原体は回旋糸状虫(Onchocerca volvulus))の特効薬(イベルメクチン)の開発で受賞されています。私事で恐縮ですが、大村博士は山梨県韮崎市のご出身で、私(弊社代表社員CEO)とは同郷(私は、山梨県甲府市出身)になります。さらに、大村博士は1954年から1958年まで、山梨大学学芸学部(現、教育学部)で大学生活を送られていらっしゃいますが、私は後年、山梨大学教育学部付属小学校・中学校で学んでいます。私のような人間にとって、ノーベル賞受賞者は「雲の上」の存在ですが、大村博士には、恐れ多くも何か「勝手な親近感」を感じてしまいます。
話がそれましたが、ということで3番は「寄生虫」が感染源となる感染症です。
さて、4番が正解ですが、ツツガムシ病は「リケッチア」が病原体となる感染症です。ツツガムシ病の病態を調べ、リケッチアは「細菌」の一種であることも、確認しておきましょう。
5番は日本脳炎ですが、日本脳炎ウイルスはRNAウイルスです。ブラビウイルス科に属しますが、ここまで詳しく覚える必要はありません。ただ、DNAウイルスか、RNAウイルスかは、必須問題レベルで覚えるべき内容です。また、ヒトだけではなく脊椎動物にも感染する、人獣感染症であることも知っておきましょう。
なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。