本日の「ゆっくり国試(必須)問題(108回問42)」解説(YouTubeショート:231123)


YouTubeショートで使った問題文は以下です。

なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

<この問題の突っ込んだ解説>

吸収のところから、胃内容排出速度(GER)が出題されました。ちなみに「うんちく」になりますが、胃内容排出速度はGastric Emptying Rateと言って、その頭文字がGERになります。これは「速度」ですが、似たような術語に「胃内容排出時間」(GET)があります。GERは「スピード」を表しますから、胃の内容物が幽門から「ぴゅっ」と十二指腸がわに飛び出してくるスピードです。例えば、食べ物と一緒に胃の中に入っていた「リボフラビン」が「ぴゅっ」と飛び出してくると、十二指腸でリボフラビンを待ち構えていたトランスポーターは、いきなりリボフラビンがいっぺんにやってきてしまったため、「輸送の飽和」が起きてしまいます。なので「胃内容排出速度(GER)」ときたら、「出題者はリボフラビントランスポーターのことを聞きたいんだな」って、思ってよいでしょう。

一方、「胃内容排出時間(GET)」のことが問題文にあったら、どう考えるか?です。要するに、胃の中に入っていた食物とお薬が「ゆっくりこなれて小腸に送られるか」、それとも「すっと素通りして送られるのか」ということが、論点になります。お薬が胃の中で、他の食べ物と一緒にゆっくりこなれれば、続く小腸での吸収はよくなることが期待されますよね。ということで、問題文に「胃内容排出時間(GET)」が書いてあったら、「出題者は、腸管系での吸収のことを聞きたいんだな」って思ってよいでしょう。

さて、この問題は、薬理の自律神経系のところが絡んでくる問題でもありますが、選択肢1、2、3のお薬は「動態分野に出てくるお薬としては、知っていて当たり前」のお薬です。4、5も、まあ、動態の分野としては知っていたほうが有利かもしれませんが、どちらかといえば薬理の分野でしょうね。ドンペリドンはD2受容体遮断からアセチルコリンの遊離を促進し、もって消化管運動を更新します。よって、胃の動きを活発化させるので、GERは増大します。5のモサプリドは、5-HT4受容体を活性化し、アセチルコリンの遊離を促進して、同じくGERを増大させます。

霊夢が解説しているように、1は「ひっかけ」、2と3は、違いをしっかり覚えましょう。

わかったかな?


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