YouTubeショートで使った問題文は以下です。

なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。
<この問題の突っ込んだ解説>
さて、「超」が付くほど基本的な問題ですね。薬物の腎排泄過程は、大きく3つの過程に分けられます。まずは、糸球体ろ過ですね。これを受ける物質は、国試レベルで2つだけ押さえておけばよいです。1つは問題となっているイヌリンです。キク科の植物に含まれる多糖類(フルクトースの重合体)で、平均分子量は5,000~6,000ぐらいです。これは点滴静注や単回静注によって静脈内投与され、血中濃度を一定に保ちながら定期的に尿中に排泄されるイヌリン量を測定することで、糸球体ろ過速度(GFR)を求めることができるわけです。これは、国際標準となっている測定法です。
しかし、何といっても「注射」をしなければならないので、患者さんに負担がかかります。そのため、「血中にあっていつも濃度が一定、かつ、分泌や再吸収を受けない」という物質が糸球体ろ過速度を求める候補になり、それが、皆さんよく知っている「クレアチニン」になるわけです。クレアチニンは筋肉代謝の最終産物として知られていますが、筋肉量が一般的な成人より低いとされる高齢者は、このクレアチニンクリアランスを糸球体ろ過速度の指標に用いる際には補正が必要となります。
糸球体ろ過では、分子量によりろ過の他にも、ろ過される物質のもつ「電荷」によっても、ろ過されやすさが違ってくる、ということも、たまぁ~に、国試に出てきますね。糸球体の基底膜が負に荷電しているために、陰イオンはろ過されにくい、と言われています。
さて、他の選択肢ですが、これらの過程を受ける薬物等の代表はチャックしておきましょう。もっとも、4番の「遠位尿細管分泌」ですが、これを行うような分泌型トランスポーターは、現在研究途上で、少なくとも国家試験レベルでは「そのようなものはない」ということになっています。なので、この問題の正解は1番です。
大丈夫かな?