YouTubeショートで使った問題文は以下です。

なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。
<この問題の突っ込んだ解説>
問題番号(問20)から判断すれは、これは物・化・生の生物から、典型的な微生物学の出題となりますが、食品衛生学の問題ですね。
さて、題意を見てみると、まずは「芽胞」を形成する偏性嫌気性細菌であることが、大きなヒントになります。微生物学と食品衛生学の勉強がちゃんとできている人は、問題文の1行目を読んだだけで、答えがわかってしまいますよね。そう、5番の「ウエルッシュ菌」(Clostridium perfringens)です。グラム陽性の桿菌で、自然界に広く分布し、ヒトを含む動物の腸内細菌叢を構成する細菌でもあります。この菌が産生する腸毒素が食中毒の原因として知られているわけです。問題文には「大鍋でカレーやシチューの調理云々」とありますが、大鍋とかカレーとか、シチューが特別に関係しているわけではなく、要は、「熱により調理が行われても、この細菌が産生する「芽胞」が生き残ってしまい、それが新しい環境下で発芽し、菌体の増殖が始まって毒素を産生する」という意味なので、「家庭用の鍋でいも煮をしたときには大丈夫なのか?」という話ではないことに注意してください。
選択肢に出ている他の細菌を見ていきましょう。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、あまりにも有名な食中毒細菌ですね。我々の皮膚の常在最近でもあり、皮膚に傷口のある人が、おにぎりなど、直接手で触れる調理をして食中毒になる例が知られています。なお学名の「coccus」というのは、ラテン語の「球菌(coccus)」から来ています。
カンピロバクター・ジェジュニ/コリ(Campylobacter jejuni/coli)は、腸管内の常在最近です。細長いらせん状の桿菌で、微好気性条件下でよく生育し、肉の生食や加熱不十分な食肉から、また鳥類などの動物の排泄物による汚染で感染します。下痢、腹痛、発熱など、典型的な食中毒症状がみられます。
サルモネラ菌(Salmonella enterica)も、腸内常在細菌叢の構成細菌で、通性嫌気性グラム陰性の桿菌です。周毛性の鞭毛があるので、運動性があります。分布は動物の体内をはじめ、自然界に広く分布している細菌です。
腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)は、海水中に存在する(好塩性)グラム陰性の桿菌です。周毛性の鞭毛をもち、運動性があります。魚介類の喫食から半日程度で発症するのが腸炎ビブリオ症の特徴で、下痢、腹痛なので症状があります。
ということで、典型的な(かつ常識的な)「暗記もん」でした。
わかったかな?