YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。
(YouTubeショート動画の解説スライドは、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。)
<この問題の突っ込んだ解説>
真菌の特徴が問われている問題だ。問題では「真核生物」とは言ってはいなくて、「真菌」を聞いているのが重要だ。真菌とは「菌類」の一部門で、葉緑素を持たない真核生物であり、代表的な「真菌」としては、キノコ、カビ、酵母などがある。微生物分類学の中の「真菌」のことが聞かれているわけではないので、一般常識的な知識があればよいのだが、3の細胞壁の主成分や5のリボソームの種類などは、「真核細胞」と「原核細胞」の違いをしっかり覚えておいてほしいところだね。
1番は論外だね。これを間違えてもらうと「あちゃ~」という感じだ。2番は×だけど、逆に「芽胞とは何か」、「芽胞を形成する微生物には何があるか」ということを、この問題から派生して理解しておくことだ。衛生化学の食品衛生学分野で出てくるかもだ。答えをいうと、原核生物のBacillus属、Clostridium属の細菌なんかが、栄養飢餓の時に菌体内に合成する非常に耐久性の強い構造体だ。微生物学の教科書では必ず載っているので確認してください。なので、真核生物ではない。
3、4、5は覚えてもらうしかない「真核細胞」と「原核細胞」の違いで、真菌類の細胞壁の主要構成成分は多糖類やセルロース、キチン、グルカンなどであるのに対し、原核生物はペプチドグリカンなどが、その細胞壁の構成成分となっている。4番のコレステロールの合成は「動物細胞」が行っているが、「真菌類」が合成してそれらの細胞膜成分となるのは「エルゴステロール」であるので、引っかからないように。さて、正解は5番だが、真核生物のタンパク質合成は80S(40S + 60S)リボソームが、原核生物のタンパク質合成は70S(30S+50S)リボソームが担っているんだね。これも覚えるしかない。
ここで、みんなに2つ質問だ。(その1)タンパク質合成を担うリボソームの「S」って何かな?(その2)真核生物のリボソームは、上記の通り40S+60Sが80Sになり、原核生物では、30S+50Sが70Sになるんだね?おかしいだろう?真核生物では40S+60S = 100Sなのに、なんで80Sになっちゃうの?原核もしかりだ。ヒントは「S」の意味に隠されている。分野的には「物理化学」や「分析化学」に関係しているので、考えてみてください。調べればわかるはずだけど、「どうしてもわからない」というヒトは、このHPの「お問い合わせ」フォームを使って「106回(必須番外)問15」<この問題の突っ込んだ解説>に関する質問事項」と題してメールを送ってもらえれば、個別にお答えします。
どうかな?この問題は簡単だったね。