YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。
(YouTubeショート動画の解説スライド、および、以下の<この問題の突っ込んだ解説>は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。)
<この問題の突っ込んだ解説>
血液胎盤関門のことがわかっているか?という問題だが、選択肢4は「新傾向」といってもいいんじゃないかな?抗体医薬の母体血から胎児血への移行は、魔理沙の中のヒトの弊社CEOの記憶では、これが初めてのような気がする。MicrosoftのAIである「Being」に聞いてみても、この問題が初出だそうですよ。ただ、質的には「選択肢4」は重要な点を押さえている良問だと思いますが、恐らく出題者の先生は「初出なので難しいと思われるかもしれないな」と思ったんでしょうね。問題文に「・・・全ての抗体医薬品は・・・」と「全ての」という文言を入れているね。国試問題を速く解く「受験テクニック」としては、このような「全ての」とか「必ず」とかいう「限定語」が使われていたら、その問題は間違えなんだよ。みんなも知っていると思うけど。念のため。
さて、順番に見ておくと、1番では、母体血と胎児血は胎盤の中では交じり合わないんだね。母体から胎児へは、栄養と酸素が移行するんだ。これの境目が胎盤内の「シンチオトロポプラスト細胞」で、実質的な血液胎盤関門の正体だ。だから×。
2番の「胎盤内に発現しているP-糖タンパク質」も常識だ。ただ細かいことになるが、この問題文の表現は少々「?」がつく、突っ込みどころのある表現だ。正確には、「胎盤を介して受動拡散により脂溶性薬物は胎児血に移行する。しかし、発現しているP-450によって、一部の基質となる薬物は胎児血から母体血に「排出的に輸送」される。」というのが正解だ。出題者は文章の「つめ」をしっかりやってもらいたいものだね。
3番は、薬物動態の「代謝酵素の存在場所」としては常識だね。CYPの存在場所で国試頻出なのはみんなも知っての通りの「小腸上皮細胞」だ。ほかにも「肺」とか「皮膚」にも存在している。
4番は冒頭で説明したからパス。
5番は「薬物の体内分布」をちゃんと勉強していればその「応用」になるわけで、間違えようのない問題だ。ちなみに「一般的な低分子量医薬品」の分子量は、とても大雑把な表現になるが「500程度」と言われている。なので、受動拡散で胎盤を介する薬物移行のカットオフ値は、だいたい500程度になるのだよ
わかったかな?