本日の「ゆっくり国試(必須)問題(105回問41)」のゆっくりショート解説(YouTubeショート:240207)


YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

(YouTubeショート動画の解説スライド、および、以下の<この問題の突っ込んだ解説>は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。)

<この問題の突っ込んだ解説>

良問だと思いますよ。「pH分配仮説とは何か?」を聞いている問題ですが、文章を丸暗記するのではなく、「イメージ」を大切にしている問題で、わかりやすいと思います。久しぶり良問といってよいのではないでしょうか?

問題の出だしに「弱酸性薬物について」と但し書きがありますが、これはこうしておかないと、絵解きの「図」が面倒になってしまうからですね。また、左上の四角の中の「凡例」も過不足なく書かれています。「密着結合」は、これを描いておかないと「細胞膜を介した弱酸性薬物の移行」に限定でいないからで(つまり、膜に穴が開いていたらどうなるの?という「言いがかりの予防」)、出題者は細かいところまで注意を払っています。

ポイントは、細胞の内外において、弱酸性薬物は分子形([HA])とイオン形([A])の間で平衡状態にあるということ、細胞内外を透過できるのは「分子形」薬物のみ、ということになるので、正解は1番ですね。

さて、解説スライドの1番が、「pH分配仮説」のまとめのすべてで、霊夢が言う通りのもので特段の付け足しはありません。ただ「分子形薬物」が細胞膜を通過する(すなわち、吸収される)ということから、計算問題でHenderson-Hasselbalchの式が出題される可能性があります。解説スライド1番の②の(式1)は、代表的なHenderson-Hasselbalchの式の表示ですが、これを「算数的にいじって」、胃の中の分子形分率の割合を求めされるような問題も考えられますから、自分への課題として、(式1)を変形して分子形分率(α)を出し式の導入を試してみましょう。単なる中学2年の算数の問題です。

あとは、この問題からの発展事項として、薬物の膜透過「速度」を表す式が、単純拡散の場合はFickの拡散第一法則の式(解説スライド2の(式2))、トランスポーターによる非線形拡散の時には、解説スライド3の(式3)で表されるということを、もう一度確認しておきましょう。(式2)にしろ(式3)にしろ、左辺は「速度」(薬物の膜透過速度)であることが重要です。

わかったかな?


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