YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。
(YouTubeショート動画の問題文・解説スライド、および以下の<この問題の突っ込んだ解説>は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、本年3月31日までの期間限定で「110回薬剤師国家試験への早割のお知らせ」を掲載しました。是非ご検討ください。)
<この問題の突っ込んだ解説>
霊夢が言うように、必須問題としては妥当なレベルの問題でしょう。
薬物の移行する方向性が重要です。母体血から胎児血への薬物移行は受動拡散です。よって、低分子量で脂溶性の高い薬物が移行します。この点から「インスリン(分子量は約5,800)」が答えだとすぐにわかります。またこれは「水溶性のホルモン」ですから、血液胎盤関門を透過しにくいのは一目瞭然ですね。
あとは、選択肢を順番に見ていきますが、アルコールは常識的にも解ける問題です。妊婦のアルコール摂取が胎児に悪影響を及ぼすことは、缶ビールに「妊娠中や授乳期の飲酒は胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります」と赤字で印刷されていることから、一般の人にもわかる話です。次に、グルコースですが、これがもし母体血から胎児血に移行しなかったら、いったい胎児はどうやって栄養を得るのか?ということです。これを間違える受験生がいるのか?というレベルの「地雷選択肢」ですね。4番のチオペンタールは即効型の静脈注射麻酔薬(アメリカでの薬剤による死刑執行の際、最初に投与される麻酔薬)で脂溶性が高く脳のような脂溶性の高い組織に蓄積的に分布します。よって、血液胎盤関門も、高脂溶性のために容易に透過します。バルプロ酸は抗てんかん薬や片頭痛発作治療薬ですが、添付文書には、「妊婦もしくは妊娠している可能性のある婦人への投与は、原則禁忌、もしくは、治療上の有効性が投与による危険性を上回る場合のみ慎重に投与すること」となっていることから、胎盤関門を容易に透過することがわかりますね。
さあ、どうですか?簡単だったでしょう?
わかったかな?