YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。
(YouTubeショート動画の問題文・解説スライド、および以下の<この問題の突っ込んだ解説>は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、本年3月31日までの期間限定で「110回薬剤師国家試験への早割のお知らせ」を掲載しました。是非ご検討ください。)
<この問題の突っ込んだ解説>
ネフロンの微細解剖学的な構造を聞いている問題で、必須問題としては妥当な問題だと思います。よろしいんじゃないでしょうか?
ネフロンは腎臓の基本的な機能単位です。腎小体(糸球体とそれを「支える」ボーマン嚢からなる)と尿細管によって構成されています。尿細管はさらに、近位尿細管、ヘンレの係蹄、遠位尿細管で構成されています。弊社CEOにはあまり絵心がないのでイラストは描きませんが、個々の話は、どんな教科書でも、どんな予備校の参考書でも必ず載っているので、一度確認しておいてください。
さて、ネフロンの機能に以下の重要な機能があります。
①糸球体ろ過;(加圧ろ過と、電荷によるろ過分子の選別)があります。糸球体から加圧ろ過によって(約35 mmHgのろ過圧があるといわれている)ボウマン嚢に向け、血液から原尿に分子がろ過されるわけです。
②近位尿細管と尿細管分泌;ボウマン嚢で包まれた糸球体から出ている部分で腎皮質から腎髄質の方へ下行しています。この部分を近位尿細管といい、尿細管分泌が行われます。ここでは、有機アニオン系、有機カチオン系のトランスポーターと、P-糖タンパク質が発現し、糸球体ろ過を受けなかった薬物を能動的に尿細管中へ「分泌」しています。さらにこの部分では「能動的再吸収」も行われ、字のごとく、アルドヘキソース輸送系、アミノ酸輸送系、ペプチド輸送系などのトランスポーターが、糖、アミノ酸などの「体にとって尿中に出ていかれては困るもの」の「血液中への能動的再吸収」を行っています。
③ヘンレの係蹄;尿細管は腎髄質にたどり着くと狭くなり、Uターンして腎皮質に向かって上行していきます。このUターンする部位をヘンレの係蹄といいます。ここでは、「排出過程」に関わるような特別なイベントは行われません。
④遠位尿細管と遠位尿細管再吸収;ヘンレの係蹄を過ぎて上行していく尿細管は皮質にたどり着き、輸出細動脈と接します。ここまでの部分を遠位尿細管といい、ここでは主にpH変化に戻付く受動的再吸収や水の再吸収が行われています。
この説明を、上述した、教科書や参考書のイラストと一緒に見て、ネフロンの構造と機能を頭に叩き込んでください。
よって、この問題の答えは2の「近位尿細管」でした。
わかったかな?