本日の「ゆっくり国試(理論)問題(102回問167)」のゆっくりショート解説(YouTubeショート:240610)


YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、本年7月15日から8月30日までの期間限定で開講する「速習・薬物動態学5日間コース」のお知らせ」を掲載しました。是非ご検討ください。)

<この問題の突っ込んだ解説>

活性代謝物を聞いている基本的な問題です。選択肢に出ている薬物と、その活性代謝物の10この薬物の中で、「聞いたことがない」なんていうものはないと思います(万一、そんな人がいたら、かなりの重症です)が、「それがどんな薬物で、どのようなメカニズムで薬効を発揮するのか」という基本に加えて、「代謝分野」の問題ですから、それが主にどのような薬物代謝酵素によって代謝されるのかも加えて覚えましょう。では、以下に順番に見ていきましょう。

1.言わずと知れた三環系抗うつ薬としてのイミプラミンです。シナプス終末部におけるノルアドレナリン、セロトニンのシナプス前節への再取り込み阻害が主作用です。「代謝分野」における重要点は、イミプラミンはCYP2D6によって代謝を受けて不活化されるものの、CYP1A2やCYP2C19による脱メチル化を受けてデシプラミンに変換されますが、デシプラミンも同じ三環系抗うつ薬として使われていることが重要です。よって〇。

2.サラゾスルファピリジンは、メサラジンとスルファピリジンがアゾ結合した化合物で、主にリウマチ治療薬として使われますが、潰瘍性大腸炎やクローン病にも適応があります。この薬物は腸内の常在細菌叢が分泌する「アゾリアクターゼ」により還元され、スルファピリジンと5-アミノサリチル酸に分解されます。スルファピリジンは潰瘍性大腸炎の治療薬として知られ、また5-アミノサリチル酸は炎症性サイトカインの産生を抑制することで、抗炎症作用を発揮します。よって〇。

3.ニトラゼパムは、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬・睡眠薬・抗痙攣薬です。ニトロ基の還元により7-アミノ体に、それに続くアセチル化により7-アセトアミド体に変換されます。従って、活性代謝物はジアゼパムではありません。よって×。

4.プリミドンは、バルビツール酸系の抗てんかん薬です。シナプス後節にあるバルビツール酸受容体と結合することでGABA受容体の作用を増強します。この薬物はCYP3A4で2位のメチレン基が水酸化を受けてフェノバルビタールに変換されます。よって〇。

5.モルヒネの代謝の話ですが、第Ⅱ相反応のグルクロン酸抱合を受けて(3-位と6-位)、このうち、6位の「モルヒネ6-グルクロナイド」が強力な鎮痛効果を持つことが知られています。

これらの「活性代謝物」は、いずれも国試頻出です。

わかったかな?

なお、国試107回問44には、この問題の選択肢5に関連する「代謝酵素」の問題が出ています。それに関連した「創作理論問題」を作ってみましたので、弊社HP「CEOのブログ」と「新着情報」のアーカイブ)から参考ししてください。

「本日のゆっくり国試必須問題解説(YouTubeショート・231014)」はこちら:

「本日の「国試107回問44必須問題派生」ゆっくり創作理論問題「予告」(YouTubeショート・231105)」はこちら:

「本日の「国試107回問44必須問題派生」ゆっくり創作理論問題「解説」(YouTube・231107)」はこちら:


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