本日の「ゆっくり国試(必須)問題(101回問41)」のゆっくりショート解説(YouTubeショート:240620)


YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、本年7月15日から8月30日までの期間限定で開講する「速習・薬物動態学5日間コース」のお知らせ」を掲載しました。是非ご検討ください。)

<この問題の突っ込んだ解説>

薬物の消化管からの吸収が大きい条件は、一般論で言ったら低分子量で脂溶性が大きいもの、ということになるでしょう。おまけに、答えの一部を言ってしまうことになりますが、選択肢1番のインスリンなどは、膵臓から分泌される消化酵素(トリプシン、キモトリプシン)によって分解されてしまいます。そもそもインスリンの経口製剤というものは存在していませんね。なので、こういう選択肢を選ぶ人はいないと思いますが、いくら必須問題とは言え、「ちょっとね・・・」という選択肢になります。では、他の選択肢の薬物を、その性質に注目しながら見ていきましょう。

2.ゲンタマイシンは、アミノグリコシド系の抗生剤でタンパク質合成阻害の作用があります。抗菌スペクトルは広く、緑膿菌にもきくことが重要です。また、皮膚表在性細菌感染症にも効果があり、皮膚科領域の外用剤としても使われています。皮膚科以外の投与方法は筋肉注射か点滴静注です。ということで経口投与は行われていないので×。

3.スキサメトニウムは、筋弛緩薬で四級アンモニウム化合物です。つまり水溶性が高いわけです。手術前に投与される筋弛緩薬ということからもわかるように、静脈内注射で投与します。よって消化管吸収はされませんから×。

4.セファレキシンは、セファム系抗生剤の代表で細胞壁合成阻害の効果があります。経口投与する抗生剤ですね。吸収は小腸上皮細胞上のジペプチドトランスポーターによる能動輸送です。よって〇。

5.バンコマイシンはグリコペプチド系抗生剤でMRSAに対してよく使われますが、投与方法は点滴静注ですが、1回1gを60分以上かけて点滴投与することが求めれらています。急速に投与(急速静注)してしまうと、Vancomycin infusion reaction(レッドネック症候群)といわれる急激な発赤や発熱などが起こる副作用があるため、実務でもよく出題される抗生剤ですね。

ということで、やはり、薬物動態の吸収分野の出題、というよりは実務の先生がおつくりになったと思われる、「的を得ているとは言い難い」問題でした。

わかったかな?


    PAGE TOP