本日の「ゆっくり国試(必須番外)問題(101回問15)」のゆっくりショート解説(YouTubeショート:240708)


YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、本年7月15日から8月30日までの期間限定で開講する「速習・薬物動態学5日間コース」のお知らせ」を掲載しました。是非ご検討ください。)

<この問題の突っ込んだ解説>

物・化・生の生物から、免疫の基本的な問題です。免疫はややこしいですよね。いきなり細かいことを丸暗記しても頭がパンクしてしまうので、まずは「大まかな全体の概念の理解」をきっちり抑え、次にそこに出てくる「役者」の特徴を押さえていく、という勉強法が必要です。なので、各選択肢に出てくる「術語」を最初から丸暗記することはやめて、概念の理解から進めていくべきです。

まずは「免疫とは何か?」という話ですが、「自己と非自己の分別」ということです。「非自己」には外来の微生物など、体内に侵入してくる細菌やウイルスなどがありますが、体の中で発生してきた「がん細胞」も非自己とみなされます。また、自己免疫疾患のように、自分の体にある本来の正常細胞を「非自己」とみなしてしまう厄介な病気も存在するわけです。

これらの分別を「免疫系(免疫細胞)」が担うわけですが、まず、免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」があることを理解しましょう。これらは「漢字の意味」から容易に類推できるように、「自然免疫」とは個体がもともと持っている免疫システムのことをいいます。意外に感じるかもしれませんが、「皮膚」というのは、外来の「悪さをするもの」が体内に侵入しないようにする、もっとも強力な物理的バリアー、すなわち自然免疫機構の一部になります。ほかにも、粘膜には粘液・分泌液による保護作用があるし、「胃酸」に胃内に経口的に侵入した微生物を殺す作用があります。また腸内常在細菌叢にも、外来微生物の定着を阻止するという意味での防御作用があるので、これらも「自然免疫」になります。

一方、ミクロなレベルから(細胞レベル)で見ると、体外の微生物の侵入によって生体内で起こる炎症反応は「細胞レベルでの自然免疫(細胞性免疫)」で、これには白血球の一種である免疫細胞の「T細胞」が主役となります。具体的には、樹状細胞(細胞表面に発現しているToll様受容体(TLR)によって微生物の侵入が感知され、サイトカインの産生を介して炎症反応を惹起)、好中球・マクロファージ(異物や細菌が捕食・殺菌される)、補体(炎症の促進、貪食作用の増強)が含まれます。また、体の中に侵入してきたウイルスに関しては、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が登場し、感染した細胞の破壊、抗ウイルス作用を持つインターフェロン(IF)α、βの放出による感染防御が行われます。

次いで獲得免疫(液性免疫)ですが、これには前述したようにT細胞が中心となる「細胞性免疫」と、B細胞とそれが生産する抗体が中心となる「液性免疫」に大別されます。まず、細菌などの抗原は、樹状細胞のような「抗原提示細胞」によって捕食されペプチドの段階までに分解されます。その抗原情報がヘルパーT細胞に認識されると、ヘルパーT細胞はTh1細胞とTh2細胞に分化します。このうち、Th1細胞はサイトカインであるインターフェロンγ(TF-γ)を分泌し「マクロファージ」を「活性化」します。また、同じくサイトカインであるインターロイキン2(IL-2)を分泌することで、細胞障害性T細胞(CTL)を「活性化」します。これらによって、細胞レベルにおける「細菌などの異物排除」が行われることになり、これが「細胞性免疫」といわれるゆえんです。一方、Th2細胞は、インターロイキン(IL)4、5、13などを分泌することにより、「B細胞」を「形質細胞に分化」し、増殖したB細胞により抗体産生が行われます。これが「液性免疫」になります。このような「外観」を頭に入れた上で、選択肢にあるような「役者」の特徴を見ていくという勉強方法が重要です。

1.B細胞。この細胞に限らず、白血球の分化は頭に入れておかなければなりませんが、造血幹細胞⇒造血前駆細胞(リンパ系前駆(幹)細胞)⇒B細胞系前駆細胞(骨髄中)⇒Bリンパ芽球、という道筋をたどって末梢血の中でB細胞になります。そしてTh2細胞が分泌するIL-4, 5, 13などにより、B細胞は形質細胞へ分化し、抗体産生を行います。よって、×。

2.ヘルパーT細胞。細胞性免疫の中核を担う細胞で樹状細胞などの抗原提示細胞から抗原の提示を受けた後は、Th1細胞とTh2細胞に分化します。このうち、Th1細胞はINF-γを分泌してマクロファージを活性化し、またIL-2により細胞障害性T細胞(CTL)の活性化・増殖を行い、これが細胞性免疫といわれるものです。よって×。

3.形質細胞は、Th2細胞が出すIL-4, 5, 13などによりB細胞が分化したものです。抗体産生を行います。

5,肥満細胞はマストセルともいい、顆粒球の一つである好塩基球と同じくヒスタミンなどのケミカルメディエーターを遊離することで炎症を惹起する免疫細胞です。細胞補油面のIgEと抗原(例えば花粉)との架橋反応によりケミカルメディエーターを遊離します。Ⅰ型アレルギー反応に関わります。

よって、答えは4番のマクロファージです。

わかったかな?


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