本日の「ゆっくり国試(必須)問題(100回問45)」のゆっくりショート解説(YouTubeショート:240807)


YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、本年7月15日から8月30日までの期間限定で開講中の「速習・薬物動態学5日間コース」のお知らせ」を掲載しています。是非ご検討ください。

<この問題の突っ込んだ解説>

プロベネシドは痛風治療薬で尿酸の排泄を促進させる薬です。腎排泄型のお薬で腎近位尿細管上皮細胞の側底膜側(血管側)に発現している有機アニオントランスポーター(OAT1/3)によって上皮細胞内に取り込まれます。そして細胞の反対側である刷子縁膜側に発現しているP-糖タンパク質のような排泄型トランスポーターによって、尿細管側に排出され、尿になるのですね。

メトトレキサートは、抗がん剤&免疫抑制剤として国試頻出のお薬ですが、腎排泄型の薬物で、排泄機構はプロベネシドと全く同じです。よって、両者を併用した場合、有機アニオントランスポーター(OAT1/3)を競合することになります。つまり、プロベネシドの併用によってメトトレキサートは毛細血管から腎近位尿細管上皮細胞への取り込みが阻害され、もって血中からの消失は遅延します。従って、答えは5.の「腎排泄の阻害」になりますが、正確に言えば、上述したように「腎近位尿細管上皮細胞の側底膜側に発現している有機アニオントランスポーター(OAT1/3)の競合的阻害」が答えとなるわけです。

この「プロベネシドとメトトレキサート」の組合せや、「プロベネシドとβラクタム系抗生剤」との組合せ(これも同じメカニズム)は、国試頻出です。選択肢の1.2.はプロベネシドとメトトレキサートが腎排泄型薬物であるということを知らなかったら、引っかかるかもしれません。4.は、ほとんど出題者の「おふざけ」選択肢という感じでしょうね。

わかったかな?


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