本日の「ゆっくり国試(必須)問題(109回問43)」のゆっくりショート解説(YouTubeショート:240910)


YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、本年9月1日から30日までの期間限定で「弊社設立1周年記念キャンペーン」のお知らせを掲載しています。是非ご検討ください。

<この問題の突っ込んだ解説>

109回薬剤師国家試験1日目(2月17日)の「速報」にも書いておきましたが(https://phhosyuu.com/109exam-doutai-hissu-7monn/)、やはり「ただし、半透膜を隔てた容器の右側、左側の容積は同じとする。」という一文を入れておかないと「解なし」になる問題です。「まあ、問題文の絵を見たら、同じってことじゃないですか?」ということなのだと思いますが、正直「きちんとした問題文を作ってくれよ」という突っ込みを入れたくなります。ただし、必須問題の問題としては良好な程度の問題、という気がします。

さて、平衡透析膜(分子篩膜)を使って薬物の(血漿タンパク質への)結合定数を調べるには、平衡透析膜の片側に血漿タンパク質を、もう片方に薬物の溶液を入れ、両者の間が平衡状態になるまで浸透し、その後「非結合形薬物」濃度を求め(この問題文では、[C]の濃度)、それと同じ濃度の「非結合形薬物」が血漿側に移動している、として計算を進めていかなければなりません。根本的な話として、「遊離型血漿タンパク質」ならびに「薬物と結合した血漿タンパク質」は、分子量が大きくなるため半透膜を透過することができないからです。

となると、平衡後の容器左側の「全薬物濃度」を表す[B]には、[血漿タンパク質と結合した薬物]と[血漿タンパクと結合していない、非結合形薬物]の両方が存在しています。そして[血漿タンパクと結合していない、非結合形薬物]のみが半透膜を自由に通過できるわけなので、[血漿タンパク質と結合した薬物]は、[B]-[C]となるわけです。要は、[A], [B], [C]について、以下の認識がきちんとできていればよいということです。

[A]:容器の中に存在する全薬物濃度で、すべて[血漿タンパク非結合形]薬物。

[B]:上記のとおり、[血漿タンパク質に結合している薬物濃度]+[血漿タンパク質に結合していない、非結合形薬物濃度]

[C]:平衡状態における[非結合形薬物濃度]

なお、100回以降の国試問題で、平衡透析を使った薬物のタンパク質結合の計算問題は、104回問165に出ています。解説は弊HPの「CEOのブログ」と「新着情報」アーカイブ、2024年4月9日に投稿していますので、そちらを参照してください。

YouTubeショートでは(https://www.youtube.com/shorts/DUJNq2NDb3g)になります。

わかったかな?


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