YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、本年9月1日から30日までの期間限定で「弊社設立1周年記念キャンペーン」のお知らせを掲載しています。是非ご検討ください。
<この問題の突っ込んだ解説>
この問題は完全に「地雷問題」ではなかったか?というようなレベルの問題で、これ間違えたら「おしまいだ!」という非常に基本的なレベルの問題です。答えは当然CYP3A4です。このCYPは、肝臓における発現量も、この酵素によって代謝される薬物の種類も最大、という薬物代謝酵素です。
ちなみに、肝臓における発現量(総CYP発現量に対する割合)と、そのCYPが代謝する薬物の種類の多い順を書き出してみると、以下のようになります。なお、予備校の参考書には、%表示した割合も出ていますが、せいぜいCYP3A4について知っていればよいかなと思います。
<肝臓において発現しているCYP分子種の発現量の順番>
CYP3A4(30%弱)>CYP2C9>CYP1A2>CYP2E1>CYP2E6>CYP2D6>CYP2C19
<これらのCYPで代謝される薬物の種類の順番>
CYP3A4(30%強)>CYP2D6>CYP2C9>CYP2C19 = CYP1A2>CYP2E1>CYP2A6
次に選択肢の順番で、各CYP分子種が代謝する代表的な薬物を見ていきましょう。
CYP1A2: カフェイン、テオフィリン、クロザピン(抗精神病薬)
CYP2C19: オメプラゾール(プロトンポンプインヒビター)、クロピドグレル(抗血小板薬、ジアゼパム(ベンゾジアゼピン系抗不安薬)
CYP2D6: コデイン、フルキセチン(SSRI)、メトプロロール(β遮断薬)
CYP2E1: アセトアミノフェン、エタノール、クロロホルム
CYP3A4: シクロスポリン、カルバマゼピン、ミタゾラム
わかったかな?