本日の「ゆっくり国試(必須)問題(99回問44)」のゆっくりショート解説(YouTubeショート:241018)


YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡くださいまた弊社HPトップページには、2024年10月1日から「学習法カウンセリング講座を始めました(新規開講授業に関するお知らせ)」を掲載しています。是非ご検討ください。

<この問題の突っ込んだ解説>

腸肝循環とは、まあ、「読んで字のごとく」ということです。肝臓で代謝を受けた薬物が、胆汁中に排泄されるわけですが、その中でもモルヒネやクロラムフェニコールのような薬物は、グルクロン酸抱合を受けて胆汁排泄されるわけです。胆汁は、総胆管から十二指腸や小腸のような腸管系につながっていて、ここに薬物のグルクロン酸抱合体は排泄されるわけですが、腸管系の中に存在する腸内細菌叢の中の特に大腸菌が分泌する菌体外酵素のβグルクロニダーゼによって、抱合体は「脱抱合反応」を受けて、元の活性のある薬物に戻ります。そうすると、それは腸管系から吸収されて、門脈を通ってまた肝臓に戻るという「循環」をするわけですね。ということなので、まずは、薬物の性質として、「肝代謝型」薬物でなければ話になりません。腎排泄されるアミノグリコシド系抗生剤や、利尿薬のフロセミド、抗ウイルス薬のアシクロビル、バンコマイシン、降圧薬のエナラプリルのような「腎排泄型薬物」は、そもそも腸肝循環など受けないわけです。次に、「国試問題」からの観点で見れば、「グルクロン酸抱合」を経て胆汁排泄されるような薬物でなければなりません。その理由は、上述したように、βグルクロニダーゼによる「脱抱合」が必要になるからです。知っておかなければならない知識はこのぐらいでしょうか?あとは「薬物の性質」になるわけですから、「知っていなければお話にならない」という完全「暗記もん」のお話です。

1.リチウムはご存じのように「炭酸リチウム」として「躁」のお薬に使われますが、なにせ「金属塩」なので、極めて水溶性が高く腎排泄型の薬物で×。

2.ゲンタマイシンはアミノグリコシド系抗生剤で、大部分が未変化体のまま尿中排泄される腎排泄型薬物なので×。

3.のセファレキシンはセフェム系抗生剤で、これも腎排泄型の薬物です。

4.プラバスタチンが正解ですが、スタチン系の高脂血症治療薬でCYPによる代謝を受けずに胆汁中に排泄され、腸肝循環を受けるお薬です。〇。

5.アシクロビルは抗ヘルペス薬ですが、腎排泄される薬物なので×。

薬の名前が違うだけの、ほとんど同じ問題が106回問45に出ています。弊社HPの「CEOのブログ」と「新着情報」のアーカイブ(2024年1月16日)から、参考にしてみてください。

わかったかな?


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