本日の「ゆっくり国試(必須番外)問題(99回問14)」のゆっくりショート解説(YouTubeショート:241026)


YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。

(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡くださいまた弊社HPトップページには、2024年10月1日から「学習法カウンセリング講座を始めました(新規開講授業に関するお知らせ)」を掲載しています。是非ご検討ください。

<この問題の突っ込んだ解説>

分子生物学の非常に基本的な問題です。丸暗記ではだめで、やはり自分のノートに「絵」を描きながら「転写と翻訳」について、原核生物と真核生物、各々のプロセスを描いてみるとよくわかりませす。「自分は絵心がないから・・・」なんて思わなくて大丈夫です。教科書にあるイラストをそのままフリーハンドで描いてみればよいのです。

成熟mRNAという言葉がありますが、これは真核生物のmRNAについて言われる言葉で、解説スライドの最後の青字の丸にあるように、5’キャップ構造やpoly A tail構造、5’, 3’の非翻訳領域、cording領域、などが成熟mRNAの構造的な特徴として挙げられます。また、「翻訳」は細胞質のリボソーム上で行われますが、それに先立ち、核内ではスプライシングが行われているわけですね。このようなmRNAをもとに細胞質のリボソームで「翻訳」が行われていますが、mRNAのAUGコドン(翻訳開始コドン)には、L-メチオニンがくっつくわけですね。簡単にそのステップをおさらいしておきましょう。

  1. 開始段階(initiation)
    1. mRNAは核内で成熟mRNAになったあと、核膜から細胞質に出てきます。
    1. リボソームの小サブユニット(40S)がmRNAの5’末端に結合します。
    1. 小サブユニットリボソームはmRNAをスキャンして開始コドン(AUG)を見つけます。これにコードされるアミノ酸はメチオニンです。
    1. メチオニンをくっつけたtRNAが、開始コドンのアンチコドンを持つ部位に結合します。
    1. 大サブユニットリボソーム(60S)が小サブユニットに結合し、翻訳開始複合体が形成されます。
  • 伸長段階(initiation)
    • 2番目のコドンに対応するアミノ酸を持ったt-RNA(アミノアシルtRNA)が、翻訳開始複合体のA部位(アミノアシル部位)に結合します。
    • リボソームのペプチジルトランスフェラーゼ活性により、複合体のP部位(ペプチジル部位)のアミノ酸がA部位のアミノ酸に結合し、ペプチド結合が形成されます。
    • リボソームがmRNAを1コドン分(3ヌクレオチド分)移動し、A部位のtRNAがP部位に移動し、P部位のtRNAはE部位(解離部位)に移動してリボソームから離脱します。これにより新たなアミノアシルtRNAがA部位に入ることができ、伸長反応が繰り返されます。
  • 終結段階(termination)
    • リボソームがmRNA上の終始コドン(UAA, UAG, UGA)に到達すると、伸長反応は停止します。終始コドンには対応するtRNAがないため、リリース因子と呼ばれるタンパク質が終始コドンを認識して結合します。
    • リリース因子がリボソームに結合すると、完成したポリペプチド鎖がP部位から解離します。
    • ポリペプチド鎖が放出された後、リボソームは解離し、mRNAともどもリサイクルされます。

ということを、もう一度確認しておきましょう。他にも、「キャップ構造」や「poly A tail」などの術語も、きちんと説明できるように、自分の知識を再確認しておくことが必要です。

わかったかな?


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