YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。
(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、2024年10月1日から「学習法カウンセリング講座を始めました(新規開講授業に関するお知らせ)」を掲載しています。是非ご検討ください。
<この問題の突っ込んだ解説>
ADMEの分布過程の「薬物とタンパク質の結合」から、血漿アルブミンとよく結合する薬物は何か?という問題です。非常に基本的な問題で、必須問題としてはよろしい問題だと思います。
まず、サムネにもあるように、分布過程の「薬物とタンパク質の結合」で出てくる血漿タンパク質は、血漿アルブミンとα1-酸性糖タンパク質しかありません。もちろん「薬剤師国家試験では」という意味ですよ。血漿タンパク質の中で最も存在量が大きいのは「グロブリン」です。他にも血液凝固系のフィブリンとか、いろいろなタンパク質が含まれているけれど、お薬は大概弱酸性か弱塩基性かのいずれかなので(大雑把な分け方ですが)、弱酸性薬物は血漿アルブミンと、弱塩基性薬物はα1-酸性糖タンパク質と結合するのです、なので、この2つが国家試験には出てくることになり、あとは、それらに結合する「有名どころ」の薬物を覚えておくしかありません。
その中でも、ワルファリンのようにほぼ100%血漿アルブミンに結合するものや、炭酸リチウムのように、全く結合しない薬物は、国試頻出です。ワルファリンのように、結合率が100%近くになる薬物は、他には抗てんかん薬のフェニトイン(90~95%)、抗不安薬のジアゼパム(98%)、抗てんかん薬のバルプロ酸(90%以上)、糖尿病治療薬のトルブタミド(95%以上)があります。反対に血漿アルブミンとの結合が0%に近いものには、アミノグリコシド系抗生剤(ゲンタマイシン、トブラマイシン、リチウム、エタノール、糖尿病治療薬のメトホルミンなどがあります。
わかったかな?