YouTubeショートで使った問題文と解説スライドは以下です。


なお「ゆっくり魔理沙と霊夢」の声は、AquesTalkのライセンスID:AQALCNTUSR01202371によります。
(YouTubeショート動画の解説スライドおよび<この問題の突っ込んだ解説>にある解説は、薬学部の現役学生の方、次回の薬剤師国家試験を受験される予定の方はダウンロードしてお使いになっていただいて構いません。なお、大学教育関係者の方、薬剤師国家試験受験予備校関係者の方でスライドのダウンロードご希望の方は、本HPの「お問い合わせホーム」から弊社宛、事前にご連絡ください。また弊社HPトップページには、2024年10月1日から「学習法カウンセリング講座を始めました(新規開講授業に関するお知らせ)」を掲載しています。是非ご検討ください。
<この問題の突っ込んだ解説>
ネフロンの構造と、各構成要素の機能に関する非常に基本的な問題です。解説スライドにも書いておきましたが、ネフロンの構造が書いてない薬物動態学の教科書や予備校の参考書はないはずなので、ご自身が使っている教科書を使って確認しておきましょう。
この問題では、答えは一発でボーマン嚢だとわかってもらわないといけないのですが、各選択肢に出てくる、ネフロンの他の構成要素が「腎排泄」においてどのような機能を持っているか、を確認しておくことが重要です。つまり、以下の解説で出てくる「キーワード」が理解できているかどうかの確認です。
- 糸球体でのキーワードは、加圧ろ過、分子量による篩効果、荷電による篩効果、イヌリンやクレアチニンを用いたときのGFR(糸球体ろ過速度)が腎クリアランス(CLr)に同等であることなどでしょう。
- ボウマン嚢は、糸球体ろ過された原尿の受け皿という理解でよろしいと思います。
- 集合管は、原尿を集める管ですが、糸球体ろ過した原尿とはその「中身」が異なり、近位尿細管で再吸収され、またトランスポーターを使った近位尿細管分泌が起こっていることもポイントになります。再吸収される物質は解説スライドに書いておきましたが、近位尿細管分泌は、OAT, OCTによって行われますので、それらのトランスポーターの基質も自分で確認しておいてください。
- 近位尿細管には上皮細胞の基底膜側(血管側)には、OAT1, OAT3が発現し、血液から有機アニオン、有機カチオンを取り込みます。またNa+/K+-ATPaseも発現しており、ナトリウムイオンを尿細管細胞から血液中に排泄し、カリウムイオンを細胞内に取り込んでいます。また、近位尿細管上皮細胞の集合管側(管腔側)には、Na+-H+交換体、SGLT2(ナトリウム、グルコース共輸送体2)、P-糖タンパク質などが発現しています。
- 遠位尿細管は、主にNa+, K+, Ca2+などの電解質の再吸収が行われています。このようなことから、遠位尿細管上皮細胞の基底膜側に発現しているトランスポーターの代表にはNa+/K+-ATPaseがあります。同じく管腔側にはNCC(ナトリウム-塩素共輸送体)が発現し、Na+とCl–を同時に尿細管から上皮細胞内に取り込みます。これはチアジド系利尿薬の標的になり、ナトリウムと塩素の再吸収に関与するわけです。
わかったかな?